近年、ソーラーカーポートは、駐車スペースを有効活用しながら再生可能エネルギーを生み出す設備として、注目を集めています。太陽光発電による電気代の削減や災害時の備えとしても期待されており、商材として取り入れたいと考える施工業者様も増えているのではないでしょうか。ソーラーカーポートには、太陽光パネルがカーポートの屋根そのものである「一体型」と、カーポートの屋根の上に太陽光パネルを設置する「搭載型」の2種類があります。
本記事では、この二つのタイプを比較し、お客様の目的や価値観に合わせて最適なソーラーカーポートをご提案できるよう、判断の材料となるような情報をお届けします。
ソーラーカーポートの一体型・搭載型の特徴比較
ソーラーカーポートのご提案の際、一体型と搭載型のどちらを薦めるべきかという疑問はありませんか。ここでは、一体型と搭載型のそれぞれの特徴を「デザイン性」「コスト」「パネルの選択肢」「耐久性」という4つの観点から比較します。
デザイン性・外観
ソーラーカーポートのデザイン性は、住まいの外観を大きく左右する要素の一つです。一体型ソーラーカーポートは、太陽光パネルそのものが屋根材として機能するため、余計な凹凸がなく、先進的でスタイリッシュな印象を与えます。
一方、搭載型ソーラーカーポートは、カーポートの屋根材の上に太陽光パネルと架台が後付けされる構造のため、一体型に比べると構造物が露出して無骨な印象になりがちです。しかし、最近ではカーポートのフレームの色やパネルのフレームを黒で統一するなど、デザイン性を意識した製品も増えています
コスト(初期費用・工事費)
ソーラーカーポートの導入において、コストはお客様が最も気にされるポイントではないでしょうか。一般的に、初期費用(製品価格と工事費)の面では、一体型ソーラーカーポートの方が高価になる傾向があります。これは、太陽光パネルが建材としての基準を満たすように設計されており、防水性能を確保するための特殊な構造や専用の施工技術が求められるためです。
対照的に、搭載型ソーラーカーポートは、カーポート本体と、市場に広く流通している太陽光パネルを組み合わせて設置するため、製品の選択肢が豊富で、比較的コストを抑えやすいというメリットがあります。様々なメーカーから多様な価格帯のカーポートやパネルが提供されており、ご自身の予算に合わせて柔軟に組み合わせを選ぶことが可能です。
ただし、搭載型の場合でも、屋根の形状や設置するパネルの枚数、架台の種類によっては費用が変動しますので、複数の業者から見積もりを取り、詳細な比較検討を行うことが重要です。
ソーラーパネルの選択肢と自由度
お客様に特定のメーカーのパネルを使いたい、最新の高効率パネルを導入したいといった明確なご希望がある場合、ソーラーパネルの選択肢と自由度は重要な比較項目となります。この点において、搭載型ソーラーカーポートは耐荷重やサイズといった条件を満たしていれば、基本的に市場に出回っているほとんど全てのメーカーの太陽光パネルから自由に選ぶことが可能です。
搭載型は、カーポートと太陽光パネルが独立した要素であるため、パネル技術の進化に合わせて将来的にパネルのみを交換するといった柔軟な対応も期待できます。
一方、一体型ソーラーカーポートは、太陽光パネルが屋根材の一部として設計されているため、パネルとフレームがセットになっています。このため、メーカーが指定したパネル以外は選択できないという制約があります。
耐久性・強度(耐風圧・耐積雪)
ソーラーカーポートの耐久性や強度は、地域の気候条件や長期的な安全性を確保するために不可欠な要素です。一体型ソーラーカーポートは、カーポート全体が構造物として設計されており、耐風圧性能や耐積雪量といった強度が製品スペックとして明確に示されています。
一方、搭載型ソーラーカーポートの場合、「カーポート自体の強度」と「太陽光パネルの設置による追加荷重」を別々に考慮する必要があります。特に、既存のカーポートに後付けで太陽光パネルを設置する際には注意が必要です。
したがって、搭載型を検討する際には、専門家によるカーポートの強度確認が必須です。また、お住まいの地域の気象条件、例えば台風が多い地域であれば耐風圧性能の高い製品を、積雪の多い地域であれば耐積雪量の大きい製品を選ぶなど、地域の特性に応じた製品選びの重要性も忘れてはなりません。
どちらを選ぶべき?目的別おすすめタイプの選び方
ここまで、ソーラーカーポートの「一体型」と「搭載型」について、デザイン性やコストなど4つの観点から比較してきました。ここからは、これらの比較結果を踏まえ、お客様の目的や重視するポイントに応じて、どちらのタイプがより適しているのかを具体的にご提案します。
デザイン性を最優先するなら「一体型」がおすすめ
ご自宅の外観との調和や、先進的で洗練された駐車スペースを望む方には、「一体型」のソーラーカーポートが最適です。一体型は、太陽光パネルがカーポートの屋根材そのものとして機能するため、継ぎ目のないフラットで美しいデザインが特徴です。
例えば、ガレージハウスのようにカーポートも住まいの一部としてデザイン性を重視したい場合や、来客の多いご家庭で第一印象を大切にしたい場合などに適しています。ただし、デザイン性を追求する分、一般的には搭載型よりも初期費用が高くなる傾向がありますし、選択できるパネルの種類も限られてしまいます。
コストやパネル性能を重視するなら「搭載型」がおすすめ
初期費用をできるだけ抑えたい方や、特定の高性能な太陽光パネルを設置したいといった具体的な希望をお持ちの方には、「搭載型」のソーラーカーポートをおすすめします。搭載型は、汎用的なカーポートに太陽光パネルを後から設置する構造のため、製品や工事費の選択肢が広く、一体型に比べてトータルコストを抑えやすいという大きなメリットがあります。
また、太陽光パネルの選択肢が豊富な点も搭載型の魅力です。例えば、「最新の高変換効率パネルで発電量を最大化したい」という方や、「信頼できる特定のメーカーのパネルを選びたい」といったこだわりがある場合でも、搭載型であれば柔軟に対応できます。
デザイン性も重視したパネル搭載型カーポート
上記では「スタイリッシュさ」といった意味でのデザイン性について比較しました。ですが、外見に合う色や高級感のあるデザインを求めるお客様へのご提案には、弊社の「ヘリオスポート」がお薦めです。
豊富なカラー展開
高級感のあるMOKUME
バリュータイプ、スムーズタイプには、先ほどの5色の他にオプション「MOKUME」があります。MOKUMEは木目調のデザインとカラーが特徴のオプションで、木の温かみや高級感のある空間を演出します。
高級感のあるカーポートや、落ち着いた雰囲気がお好きなお客様にとって、MOKUMEは魅力的な商材ではないでしょうか。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
外構業者様が、一体型ソーラーカーポートと搭載型ソーラーカーポートのどちらをご提案するか迷ってしまった際のご助力になれば幸いです。